新着情報

「東京オペグループ」解散のお知らせ

謹啓 春暖の候 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、この度、昭和二十八年に始まった東京オペグループを解散することとなりました。創立より六十四年間に亘り会を運営させて頂けましたのは、偏に皆様のお力添えのお蔭でございます。
長い間ご支援頂きました皆様に、心より御礼申し上げます。
今後の日本における周産期医療の安定を願い、皆様の益々のご発展とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具

東京オペグループ
会長 佐藤喜一

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東京オペグループ解散のお知らせとご挨拶

 拝啓 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素はひとかたならぬ御愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、この度、総会での会長提案を受け、12月に開催されました運営委員会に於きまして、2017年3月31日をもって解散することが決議されました。既に月刊会報誌等にて様々な会員の皆様のお声を紹介いたして居りますが、此処に改めて、お知らせをさせて頂きます。
 本年度は創立65周年という節目の年でも御座いました。ここまで会を運営させて頂けましたのは、偏に皆様のお力添えのお蔭でございます。
 今後は、“東京オペグループOB会”(仮称)の名称で皆様に懇親会等のご案内を致してまいります。
長い間ご支援頂きました皆様に対しましては、心より御礼申し上げますとともに、何卒ご理解を賜ります様宜しくお願い申し上げます。

 末筆ではございますが、皆様の今後の益々のご発展をお祈り申し上げます。

敬具

東京オペグループ
会長 佐藤喜一

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TOG2016年年間事業決定

2016年の年間スケジュールに関しましてはこちらをご覧ください。

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平成27年TOG実践セミナー in 東京

TOG副会長 町田利正

本年のTOG実践セミナー in 東京は、佐藤喜一会長の強いご要望で、「母体急変事の対応」をテーマとし、木野秀郷運営委員を中心に、主題の「京都プロトコール」を手がけてきた、(株)カテナシア(代表川崎光雄氏)との共同企画です。
今回のセミナーは、本年10月から施行の「医療事故調査制度」の中身とも絡み時機を得た研修会になりました。
元々、母体救命の実習は、京都産婦人科救急診療研究会の「-母体急変事の初期対応:京都プロトコール」が先行し、昨年から、日産婦医会、日産婦学会、日本周産期・新生児医学会、日本麻酔学会、日本臨床救急医学会、京都産婦人科救急診療研究会、妊産婦死亡検討評価委員会の7団体が「日本母体救命システム普及協議会(J CIMLES)」を設立、試験的な受講会を行っています。
今回のセミナーでご指導頂いた橋井康二先生は、京都産婦人科救急診療研究会の幹事長であり、J CIMLESでは、プログラム開発・改定委員会委員、研修企画委員会委員、幹事会幹事に就任され、運営の中核として活動されています。
 
TOG実践セミナー:母体救命-母体急変事の初期対応-
本受講会のプログラムは通常、基礎知識を学び、母体救命の基本実習、シナリオを用いた実技の訓練を1日で行います。プレ・ポストテストを含みます。
TOGはTOGらしく、基幹となる知識は、前日しっかり身につけて翌日の実習に備え、更に欲深く、美味しいイタリアンで、お腹を満足させ、十分におしゃべりもしましょうと下記の2日間を用意しました。
1.講演『母体急変の感知と対応』
  座長:木野秀郷運営委員
  講師:橋井康二先生
  平成27年10月10日(土)PM6:00 (株)銀座ユニーク会議場
2.懇親会(イタリアン:ラ・ベットラ・ダ・落合):銀座店 PM8:00
3.実習『母体救命-実技講習会』
  主インストラクター:橋井康二先生 J CIMLES関連医師
  平成27年10月11日(日)AM10:00 レールダルメデイカルジャパントレーニングセンター
 
演題『母体急変の感知と対応』は、橋井康二先生の講演です。
平成22年に京都大学、京都府立医大の産婦人科と両大学の救急医学講座に、京都産婦人科医会が加わり、「京都産婦人科救急診療研究会」を創立、医会の会員施設を臨床の現場として、妊産婦の救命・救急の連携システムを構築し、更に-母体急変事の初期対応:京都プロトコール-を作成、テキストブックはイラストを多用し、救命医療の基礎と産科症例の特異的な病態を詳述し、実技講習会では、各疾患の病態を正確に把握、各種モニターを駆使して、救命の初期対応を行ってきた。現在は京都府下から全国にむけ講習会を展開している。
 
急変の感知:産科特有な病態から
1.バイタルサインの確認
・意識レベル:JCS(Japan Coma Scale)
・血圧、・脈拍、・Spo2⇒自動モニター
2.分娩出血の確認
・時間性器出血量 ・子宮収縮 ・子宮底の位置 ・外陰部血腫の有無。
 異常あれば、原因を精査確認
1.意識レベルの低下:胸骨を拳でグリグリ、指をペンで強圧⇒開眼(-)
2.SI>1 (出血1.500mL予測) そして出血持続
3.SI>2(出血2.500mL予測)    ☆SI:Shock index (心拍数/収縮期血圧)
4.Spo2<95%(Room air)      以上の4ケースは高次施設へ搬送
☆1.は、JCSのⅢに相当するが、JCSで表現せず「呼びかけに応じない」。痛みに反応しない、等、意識の現状を報告すればよい。
 
妊婦の急変対応
 自発呼吸の有無
・呼吸:自発なしor はっきりせず⇒直ちに心肺蘇生開始。高次施設へ搬送
・呼吸:自発あり
・100%O2 10~15mL/min リザーバー付きマスクで投与⇒SPO2モニター
①SPO2≧95% SI>1 ⇒急速輸液(18,20G2本、細胞外液補充液)、左半側臥位、保温  高次施設へ搬送
②SPO2<95% 気道確保(誤嚥注、頭後屈・顎先挙上、経鼻エアウエイ) その後は①に準じて高次施設へ搬送
 
妊婦の心肺蘇生
 心肺停止
1.スタッフ集結、救急車要請、AED取り寄せ
2.胸骨圧迫:胸骨下半分を30回圧迫(30:2呼吸)。強く(5cm以上)・早く(100/分以上)・絶え間なく。左半側臥位か子宮を左側方に引っ張りずらして行う。
3.気道確保+人工呼吸
  ・頭部後屈・顎先挙上、経鼻エアウエイ、熟練者のみ気管挿管。
  ・バッグマスクまたは気管チューブで100% O2による換気を2回1秒かけて、胸が上がる程度の換気量で行う。リザーバーマスクを使用。02は10L/min以上。O2の量は、多量からの漸減が基本、逆はno。
4.心肺蘇生継続
  ・胸骨圧迫30回と人工呼吸2回繰り返し、上肢に静脈路確保。
  ・AEDが到着次第装着する。・胎児モニターは取り除く。
5.AEDに従う。徐細動後も胸骨圧迫は続ける。高次施設へ搬送
 
正常分娩における準備・対応
  ・血液型カード所持。
  ・分娩前にあらかじめ輸血同意書を取っておく。
  ・分娩時に18~20Gの静脈路確保。
  ・分娩後2時間迄は、自動モニターでバイタルサインを記録する(重要)。
 
救急用備品
・経鼻エアウエイ        ・吸引器  -80KPa
・酸素ボンベ (最低500L)    ・リザーバーマスク
・バック・バルブ・マスク リザーバー付(アンビューバッグ)
・妊婦用モニター(ECG Spo2)  ・静脈留置針(18~20G)
・細胞外液補充液        ・AED(自動体外式徐細動器)
・アドレナリン(1mg/A)     ・細胞外液補充液(できれば39度Cに加温)。
受講者 27名。
 
懇親会 イタリアンレストラン:ラ・ベットラ・ダ・落合
重くてボリュームのあるセミナーには、「合い間で、旨い物をたべ、お喋りしなくちゃ」と木野先生は云います。色んなレストランが候補にあがりましたが、今回はイタリアンの「ラ・ベットラ・ダ・落合」に決まりました。
高級レストランではないのに人気があり予約が困難です。「ベットラ」は、素材をたくみに調理し、フレンチとは明らかに異なる、イタリアを感じさせるTOG特別の料理を並べてくれました。橋井先生やカテナシアの川崎さんも交え、幅広な会話が、各テーブルで弾み、会員の奥様にも沢山ご参加頂き、きらきらと華やかなディナーになりました。スペシャルメニュー 【冷前菜】・本日の鮮魚のカルパッチョ・フレッシュボルチーニのサラダ ・パルマ産生ハムとメロン 【温前菜】・殻付かきのオーブン焼き・松茸とコンソメ・フォアグラのソテー 【ディナー】・新鮮なうにのスパゲティ 若芽ネギのせ・黒トリュフのリゾット 【メイン】・手長海老のシチリア風オーブン焼き・国産牛ロースのタリアータ・牛ホホ肉の赤ワイン煮 【デザート】・クラシックショコラのロールケーキ・イチジクのコンポート・ジェラート
出席者 34名。
 
実習『母体救命-実技講習会』
主インストラクター 橋井先生の基調講演から開始。昨夜の学習がベースとなり、習得すべき実習の意義を十分に理解できました。「母体救命」の理解度を知りたいと講演前にテスト様の試みがありました。講演のキモは以下でしょう。
1.生命徴候をいつも意識して診る。不安定なら直ぐに初期治療。図るのは生命徴候の安定化。護るのは母児の生命。次が母子の身体機能の温存。2.母体急変事の初期対応は「救命」に尽きる。生命維持の基本は、臓器・組織の適切な酸素化であり常に、脳の活動-A(Airway)気道-B(Breathing)呼吸・喚気-C(Circulation)循環をチェック・評価し障害個所を見極める。
3.まず五感で評価する。脳の活動を確認、そしてABCの評価をする。
バイタルサインのモニタリングは体温、血圧、脈拍数、呼吸数+意識レベル、血中酸素飽和度(Spo2)。それぞれチェックし評価する。
意識レベルはJCS (Japan Coma Scale): Ⅰ 刺激しないでも覚醒の状態。 Ⅱ 刺激で覚醒するが、刺激を止めると眠り込む状態。 Ⅲ 刺激しても覚醒しない状態、を用いる。その他の評価法でもよい。
4.分娩時出血のモニタリングは性器出血、子宮収縮、子宮底、血腫の有無。
5.生命徴候の安定化への初期対応は、全身状態の安定化を目的とする。OMI(オミ)である。
  O:Oxygen 酸素投与 M:Monitoringモニター監視 I:IV 静脈路確保。
6.危機的状況
①意識レベル低下
② SI>1かつ出血持続
③ SI>1.5
④ Spo2< 95%(room air)
7.妊婦の急変対応
①スタッフ集結:役割決定(臨床、AED等器材整備、連絡、血管確保班)
②呼吸:自発なしor はっきりせず⇒直ちに心肺蘇生開始:胸骨圧迫(30:2 呼吸) ;胸骨の下半分・強く・早く・絶え間なく。
③ショック:SI>1ならBD低下なくとも、急速輸液(18,20G)。
④AED:胸骨圧迫中、AEDが届いたらスイッチONにして、パッドを着け、以後はAEDの指示に従う。徐細動後も胸骨圧迫は続ける。
➄酸素投与(フエイスマスクなら10L/分リザーバー付き)
⑥モニター監視
 
全体の実習
・胸骨圧迫 ・妊婦の体位(仰向け、腹部を左に引き寄せ15~30度の角度)
・気道確保(酸素マスク・バッグ・バルブ・マスク) ・弛緩出血時のバルーン(Bakriバルーン)・輸液 ・尿量チェック(0.5ml/Kg/h)等々。
グループ(6名)実習:リーダー、医療実施者、補助者に分かれます。
 
1弛緩出血 2後腹膜血腫 3早剥 4HELLP 5羊水塞栓 6肺塞栓 7ショック(抗菌薬アナフイラキシー) 8子宮内反症 9子宮破裂の9疾患を想定。受講者は、3グループに分かれ、3か所に設置されたママさん人形に取り組みました。インストラクターと補助者は、精緻きわまるマネキンにパソコンで指令を発し、病態と生命徴候を刻々と変化させ、受講者に危機の評価と対処法を問い、実行させます。頭脳と手指がうまくからまり、全員高い評価を受けました。当日の疾患は、①羊水塞栓症 ②肺塞栓症 ③子宮収縮不全・出血性ショック ④子宮内反症・出血性ショック ➄抗菌薬によるアナフイラキシーショック ⑥脳出血による意識障害+痙攣 でした。
ポストテスト様な試験後 実習『母体救命-実技講習会』は終了しました。
受講者18名。
 
2015TOG年間事業022015TOG年間事業01

第63回TOG総会・前夜祭を開催して

TOG副会長 町田利正

平成27年9月1日の朝刊各紙は、ホテルオークラ本館の、閉鎖を報じました。次期東京五輪までには、新装新たにオープンするそうです。
 本館の外観は重厚で落ち着き、ゆったりしたロビーは、天上から連なるランタンと、梅の花びらをイメージしたテーブルと椅子がほど良く配置され、上品な和風の趣がありました。一階の「曙」と「平安」の間は、絢爛で豪華です。
TOGの総会・前夜祭は、その「曙」で行われ華やかなイベントになりました。
なお、「平安」の間では、閉館の催事 、大倉集古館秘蔵のアートコレクション展「美の宴」~琳派から栖鳳、大観、松園まで~があり、国宝クラスの名品の数々が展示されていて、ゆっくりと観賞でき、思わぬ至福な時が持てました。
 
前夜祭は、竹村秀雄副会長の「開宴を祝う」、佐藤喜一会長の「挨拶」、久松正典運営委員長からの、新入会会員3名の紹介があり、永井泰先生のスピーチをお聞きしました。先生は、周産期臨床栄養学の大家です。参加者は少数でしたが、例年通りの、オークラの美味しいデイナーと、会員、奥様同士の会話が各テーブルで弾み、楽しい時間があっという間に進みました。今回のエンターテイメントは、バリトン原田勇雅さんのミニリサイタルです。東京芸大大学院修了、イタリア国立パルマ音楽院大学院を首席で修了、現在は東京芸大大学院博士後期課程に在籍、二期会会員です。ピアノは、小山里巴さん。桐朋学園大学出身。ソリストとして活躍中、6日前に原田さんと結婚、新婚さんカップルです。式後初のコンサートでした。
バリトンは、テナーに比べ地味ですが迫力ある地声が魅力でお招きしました。現在はイタリア歌曲を演奏活動の柱としていますが、我々が楽しめるよう、
「歌声の旅・世界紀行」と題し、名曲の数々を易しく解説し、独唱しました。
・平城山(平井康三郎)・野ばら(シューベルト)・君は花のよう(シューマン)・エーデル・ワイス(ロジャース)・愛の挨拶(エルガー)・サンタ・ルチア(民謡)・マンマ(ビクシオ)・月の光(ドビュッシー)・この中に私の運命がある(ヴェルデイ)等、心に響く歌唱力でした。「マンマ」は、私の無理やりのリクエスト。彼には初演です。故五十嵐清(テナー)の歌唱と同等の感動を受けました。クラシックの精通者、片瀬高会員から、イタリア歌曲が特に良質とおほめの感想を頂きました。
 
今年の冬季研修会・大忘年会は久松先生の大阪です。紹介とお誘いがあり、竹村先生、森本先生の病院見学ご案内用のスライドが投影され、竹村先生が説明されました。そして最後は、恒例の宮原通義先生の、中締めのご挨拶があり、参会者全員が、室内一杯に「聖者の行進」を行い、二次会へと移りました。
二次会は、三宅馨先生の「旅の話」です。神秘の島、屋久島の魅力を語り、次いで田宮親会員から始まるTOGの「語り部たち」のもの語り。あっという間に時間が過ぎ、柴田穣一先生の「集団的自衛権論」は持ち越しになりました。
 
総会は、竹村副会長の「ウエルカムスピーチ」。久松運営委員長の「平成26年度会務報告」公認会計士(顧問)住田光生氏の「平成26年度収支決算報告」があり全て了承。その後、企業協賛講演(大塚製薬)を挟み4席の講演が行われました。
全ての講演が歯切れよく、臨床に直結する、素晴らしい内容でした。今回は長めに報告いたします。
 
会長講演:『頭のいい奴』
 三宅先生が詳細に記述して下さいました。拙文は本年度年会誌に載せて頂きます。
 
記念講演:『ヘルスケアにおける大豆の新しい力『エクオール』(大塚製薬協賛) 
麻生武志 東京医歯大名誉教授

 最近、大豆から産生される『エクオール』が注目されている。大豆は中国原産で、古くからアジアでは良質な食料原として使用されている。大豆イソフラボンの一つが腸内細菌によってエクオールを産生する。日本人やアジア人の、約半数が産生するが産生不能の人もいる。欧米人は約3割しか産生できない。
注目は、日本の、心臓死、大腿骨折、乳がん・前立腺がん死亡率がアメリカに比べ顕著な低率を示す事にあった。また、大豆イソフラボンがもつ弱いエストロゲン作用は以前より知られていた。研究者の業績から、エクオールの女性更年期症状(ホットフラッシュ、首・肩こり)の改善、骨代謝(骨吸収、骨密度)の向上、肌に対する効果(シワの広さ、深さ),糖・脂質代謝・血管機能に対する効果が解明されてきた。エクオールの女性医療における新たな可能性として、健康増進・更年期症状対策(HRTの対象外、HRT禁忌、HRTで改善しない)・骨代謝改善・脂質異常症の改善・皮膚障害の改善等があげられる。

会員講演:『産科クリニックにおける妊娠糖尿病の管理』
第3回母子栄養懇話会会長 TOG運営委員 木野秀郷会員

妊娠糖尿病(GDM)は今,周産期疾患としての疾病概念が定まってきた。関連諸学会の討議によりコンセンサスが得られ、2011年から産婦人科ガイドラインに診療指針が掲載された。妊娠中の糖代謝は“生理的な妊娠中のホルモン動態”が深く関与し,糖尿病患者の妊娠とは状況がまったく異なる。GDMは妊娠により惹起された,糖尿病にまでは至らない,軽度の糖代謝異常である。
新たな診断基準は,75g OGTT で,空腹時血糖値92≧,1時間値180≧,2時間値153≧,この内,1点でも該当すれば,GDMと診断される。
 
当院におけるGDM管理
妊娠前期と中期の二段階で随時血糖(BS)検査を実施。BS陽性例には,OGTTと一日血糖入院検査を行い,その結果から管理方針を決定。軽症例には月一回程の血糖管理を行い,管理指針を適宜変更している。
 
前期と中期のGDMスクリーニング
前期BSは妊娠以前のDMスクリーニングの意義がある。妊婦のホルモン動態と糖代謝から中期以降にGDM発症の可能性が高くなる為,中期の全陽性例にOGTTを行い,前期陽性例にはまず,50gGCTから施行する。
 
ハイリスク妊婦に対するOGTT検査
①糖陽性例②高年齢妊婦③家族暦等13の関連因子を持つ妊婦に対してはOGTTを行っている。
 
1日血糖入院検査(Tages Profile)
OGTT陽性例には入院させてTages(7回の採血)を行い,管理方針を決定する。OGTTは究極の負荷試験である。実生活に準じた食事カロリー摂取でのBSの変化をみる。入院により医療者は妊婦の食行動を把握でき,妊婦は必要な給食の体験と分食・捕食によるBSコントロール教育効果が実感できる。OGTT陽性35名のTagesで28名は略正常範囲であった。
 
OGTTにおけるインスリン分泌測定の意義
OGTTではBSと共にインスリンの分泌測定を行う。GDMはインスリンの分泌不全よりもインスリン抵抗性の増大が病態の本質と考えられる。
 
GDMの管理方針
① 食事内容の決定 ②食後高血糖を防ぐ運動療法 ③採血管理の方針とIC。
GDM妊婦の出生時体重:2500g~3500gが66.6%。血糖トラブルは0例。
 
GDMの管理要件
軽度の糖代謝異常のGDM妊婦管理には,知識と経験のある管理栄養士,助産師の協力が不可欠で,適切な栄養指導と保健指導が有効である。GDMの本体はインスリン抵抗性の増大であり,食事療法や運動療法が有効である。   

特別講演:『子宮収縮薬を用いた陣痛誘発と陣痛促進の注意点』
中井章人 日医大永山病院教授

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